【仏教用語】
<四苦八苦>④
私たちの苦しみを八つに分けて、仏教は教えています。その「四苦八苦」の4番目は「死苦」です。
文字通り「死の苦しみ」。よく「死ぬほど苦しい」と例えますが、おおよそ生きている人間が、最も恐れ、忌み嫌っているのが死ではないでしょうか。
死の苦しみ、と聞くと、ふつうは死ぬ瞬間、あるいはその周辺の苦しみだけを言うように思います。しかし実は、私たちは生まれてこのかた、死の苦しみに翻弄されながら過ごしていると言ってもいいのではないでしょうか。
例えばこれまで書いてきた老苦にしても、なぜ皆イヤがるのでしょう。体力や知力の衰えは、大変な衝撃を私たちに与えます。たいていの人は、20代も半ばを過ぎるあたりから、徐々に衰えに入っていき、それが40、50、60と年齢を重ねていくにしたがって、弱り方が激しくなっていきます。その先に死があるからです。
病苦も同様。軽い風邪やちょっとした発熱なら、だれも恐ろしいと思わないでしょう。ところが死に直結する病気となれば、たちまち顔色を変えて予防にコレ努めます。
昨秋からの新型インフルエンザの大騒動がそれを物語っているでしょう。幸い、重症化する事例は少ないとみるや、すぐに関心は薄れてしまったのも、その明証でしょう。
このような事例はほかにもありそうです。