【仏教用語】
<四苦八苦>⑥
仏教で、苦しみを八つに分けて教えられる「四苦八苦」の5番目「愛別離苦」について、今回は書きましょう。
これは、愛するものと別離する苦しみです。
寒い冬、いつまでも暖かい布団に寝ておりたいのに、起きて仕事や学校に行かねばなりません。大好きな食べ物も、食べてしまえばなくなり、楽しみにしていたテレビ番組、音楽、映画も時間が来れば終わります。記録して何度も見ても、やがて飽きる時が来ます。
若さを誇っていても、いずれ年を取る。給料をもらって一時はホッとしても、「お足」で、アッという間に懐はさびしくなる。
かわいがっていたペットが死んでしまう。大事にしていた時計が壊れる。思い出深い学び舎から卒業する。愛する伴侶や恋人、家族、友人を不慮の事故や病気で亡くす人。死に別れでなくても、誤解や行き違いで、失恋、悲恋、破局の憂き目を見ることもあります。
古くから「会者定離」「会うは別れのはじめ」とも言うように、どんな相手やものとも、いずれ別れが待っている。
仮に、生きている間は恵まれても、死んでいく時は、大事にしてきた肉体も、苦労して身につけた技術や能力、経験も、一切を焼いていかねばならないのです。
私たちが大なり小なり、必ず出くわす種々の悲しみは、多くこの愛別離苦でしょう。